1990年代のオタクの雰囲気を知る本
togetterで次のまとめが人気だ。
オタクが市民権を得た現代 対して1990年代のオタクの扱い…「これは酷い!」 - Togetterまとめ
確かに、1990年代前半の雰囲気は、このような感じだった。「オタク」= 「人じゃないなにか」みたいな雰囲気。
1980年代後半(OVAやLDが出始めた位の時)に、なんか気持ち悪そうな人みたいな扱いだったが、宮崎勤事件で、社会の敵みたいな空気に変わった様な気がする。
今の、オタク文化とはちょっと違う雰囲気を知るためには次の本がよく雰囲気を伝えている。
Amazon.co.jp: おたくの本 (別冊宝島 104): 本
別冊宝島の本。1989年に出た本。
- 作者: アスキー第九書籍編集部
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 1997/01
- メディア: 単行本
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週刊アスキーがまだEye-conだった時代にあったおたくの一言集。読者カードに長文を書く姿が痛々しくて凄い。
宮崎勤事件をマスコミがどのように伝えたかをまとめた本。
漫画だとココらへんが参考になる。
コミュニケーション不全の男の子と、ややこしい恋愛漫画。永野のりこはオタク少年をよくテーマにしている。
今では、なんとなく市民権を得たような風であるが、昔は本当に日陰者扱いだった。
今、30歳代後半の人や40歳代前半のオタクは、なんとなく懐かしく思い出すかも知れないな。
その他
togetterで、親切な人がその他の書籍を教えてくれた。
宮崎事件関連で出た本としては、次のものがあります。
- 作者: 都市のフォークロアの会
- 出版社/メーカー: JICC出版局
- 発売日: 1989/10
- メディア: 単行本
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- 作者: 大塚英志,中森明夫,太田出版
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 1989/12
- メディア: 単行本
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『広告批評』1989年11月号 特集「がんばれ、おたく」
『気持ち悪い人達』 『気持ち悪い人達2』1990年
上記二冊は、私も読んだが、広告批評は知らなかった。「気持ち悪い人達』は同人誌らしい。詳細はわからない。
これらの情報を漁っていた所、難波功士がまとめているおたく関連文献リストを見つけた。
http://www.kwansei.ac.jp/s_sociology/attached/5288_44284_ref.pdf
戦後ユース・サブカルチャーズをめぐって(4):おたく族と渋谷系 難波功士
本多勝一氏の著作にも、おたくに関する記述があるらしい。
http://t.co/MuWdDaUCrD では資料を募集しているので画像を提示。
1990年出版の本多勝一氏「貧困なる精神 E集」から一部抜粋。
「石坂」は手塚治虫の弟子としても知られる漫画家・石坂啓氏のこと。全文は16P。 pic.twitter.com/18PHNndf7I
— gryphonjapan (@gryphonjapan) October 10, 2015
本田さんも、いちいち「ウェー」とか「エー」みたいな大業な驚き方をしていて、まあ、偏見まみれなんだろうなとは思う。
近年
現代から、過去を振り返ってその時代を記述したものとして、NHKニッポン戦後サブカルチャー史がある。NHKの同名の番組を書籍化したものだ。 番組では、戦後のサブカル文化やオタク文化を紹介してた。宮崎勤事件は、おたく界隈に大きな影響を与えたにも関わらず、それに対してはほぼ言及が無い(年表に1行記載がある)。無視されていると言って良い。そうやって歴史から無くなるのだろうなと思った。
- 作者: 宮沢章夫,NHK「ニッポン戦後サブカルチャー史」制作班
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/10/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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おまけ
そういえば、1989年11月のアニメージュには、宮崎勤事件を題材に、宮﨑駿御大と、村上龍が「密室からの脱出」というタイトルで、対談をしている。
付録付)アニメージュ 1989年11月号 | 中古 | アニメージュ | 通販ショップの駿河屋
アニメージュ対談宮崎駿×村上龍銀英伝他 /【Buyee】 "Buyee" 日本の通販商品・オークションの代理入札・代理購入
単なる人付き合いが苦手な少年たちが、日本中の人から悪意を向けられてあわくっている感じだった。アニメージュもこれは不味いと思ったのか急遽特集を行った。 単なる田舎のアニメ好き中学生だった私は、大変なことが起こったと思った。