2015年ニコニコ動画はどんなタグが人気だったか

2015年ニコニコ動画はどんなタグが人気だったか

ニコニコ動画人気タグランキングと言うサービスをやっている。週間、月間、半期、年間のそれぞれの期間のニコニコ動画における人気のあったタグを集計している。

年間の人気タグランキングが取れるので、今年の1月1日から12月31日までの動画のランキングから人気のあるタグを割り出した。元になっている動画は、すべての動画ではなく、カテゴリーランキングに入った動画を元にしているので、いわゆるロングテールではなく、人気のある動画のタグ情報であることに注意して欲しい。

2015年の人気タグランキングを計測したので、それを紹介する。

2014年のまとめは、こちら。 ちなみに、2013ねんのまとめはこちら

2015年人気タグランキング

詳しい結果は、こちらで見られる。

今年新たに追加されたタグは新規と10以上順位が変わったものは、上がったものが赤字、下がったものが青字で表現されている。

順位 前回順位 増減 タグ
1 1 変わらず 実況プレイ動画
2 なし 新規 おそ松さん
3 2 -1 MikuMikuDance
4 なし 新規 手描きおそ松さん
5 なし 新規 刀剣乱舞
6 4 -2 真夏の夜の淫夢
7 3 -4 ゆっくり実況プレイ
8 なし 新規 スーパーマリオメーカー
9 なし 新規 マリオメーカー
10 9 -1 Minecraft
11 なし 新規 スプラトゥーン
12 なし 新規 MMD刀剣乱舞
13 なし 新規 Splatoon
14 5 -9 艦隊これくしょん
15 なし 新規 MAD松さん
16 6 ↓-10 艦これ
17 22 5 実況プレイpart1リンク
18 なし 新規 はなまるぴっぴはよいこだけ
19 457 ↑438 マインクラフト
20 なし 新規 がっこうぐらし!
21 11 ↓-10 神回
22 なし 新規 カラ松
23 なし 新規 のびハザ2
24 25 1 レトルト
25 34 9 キヨ
26 なし 新規 十四松
27 17 ↓-10 アブ
28 7 ↓-21 もっと評価されるべき
29 23 -6 【タグ編集はできません】
30 8 ↓-22 初音ミク

2015年の特徴

(腐)女子が見るニコニコ動画

特徴的なのは、おそ松さん刀剣乱舞の人気だ。特におそ松さん人気は凄くて、2015年10月に登場以来、圧倒的な強さで、登場して3ヶ月で2位に輝いた。刀剣乱舞の人気も凄まじい物があり、初音ミクの順位が下がっていく中、MikuMikuDanceの人気を支えている。12位にMMD刀剣乱舞が入っている。 この2つとも二次創作では、いわゆる(腐)女子に人気のジャンルだ。このふたつがニコニコ動画でも人気だということは、女子がニコニコ動画をより乱しているのではないかと考えられる。

dwangoのIR資料によると、2014年の段階で、女性の視聴者割合は、35%であったが、おそ松さん、刀剣乱舞の人気を見るに、女子の割合は更に増えているのではないかと考えられる。

ドワンゴIR資料

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任天堂のゲーム戦略は変化した

任天堂のゲーム、スプラトゥーンスーパーマリオメーカーがランクインしている。任天堂のこの2つのゲームが入ったことは示唆的で、任天堂のゲーム戦略が変化しているのではないかと伺わせる。どのような変化か?ゲームはコンテンツではなく、コミュニケーションツールであるという変化だ。つまり、ゲームがクリエイターが世界観を提示して、ユーザーがそれを受容するという映画の様な楽しみ方ではなく、友達やネット上の仲間とワイワイコミュニケーションを取るためのツールであるとする変化だ。任天堂にとってみれば、もともとゲームはみんなでワイワイしながら遊ぶものだという意識があるので、先祖返りしたというのが正しいかも知れない。ただ、そこにネットという新しい要素が加わった。ゲームをコンテンツとして一人で受容するというよりも、シェアしたり共感したりするためのツールとみなしている。任天堂はそのようにゲームを作って、事実その考え方が受け入れられ、ニコニコ動画で高い順位を得たのではないだろうか?

例えば、この動画の様に、ユーザーがゲームメーカーの思惑を超えて、新しい遊び方を提案しそれをネットで共有するという遊びをしている。【論理演算】マリオメーカーに「3+3=6」を計算させてみた ‐ ニコニコ動画:GINZA これは、ユーザーがコンテンツを消費するのではなく、「こんなの作った見て見て」という形で、コミュニケーションを誘発する仕組みを提供している。

初音ミクの退潮

これは大変残念であるが、長いことニコニコ動画の象徴であった、初音ミク/ボカロの退潮が明らかになりつつある。一ボカロファンとして、残念である。退潮したからどうだというのだボカロファンは関係なく曲を作るという声もあるのは承知している。今年の紅白で千本桜が歌われた。ミュージックステーションでは、初音ミク自身がライブを行った。、世の中の認知が進む一方、逆にニコニコ動画内での初音ミクの相対的な地位は下がっている。アイマス、東方と言った他のカテゴリを同じように収まるところに収まっていくだろう。このように判断したのは単に初音ミクタグの年間順位が8位から30位になったからではなく、ボカロ関連のタグの順位が軒並み下がったこと、ボカロカテゴリの獲得ポイントが下がっていることからそのように判断した。

初音ミク関連タグの順位変化

今回順位 前年順位 増減 タグ
30 8 ↓-22 初音ミク
78 48 ↓-30 ミクオリジナル曲
112 27 ↓-85 VOCALOID新曲リンク
468 102 ↓-366 GUMI
649 266 ↓-383 VOCALOID殿堂入り

ボーカロイドカテゴリの取得ポイント推移

ボーカロイドカテゴリの獲得ポイントの推移をグラフ化した。2009年11月から2015年12月までの推移

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古参が減って新規が増えた?

今年の特徴をいうと、古参がよく見ていた動画(ボカロとか)に関連するタグが減った。また、「もっと評価されるべき」みたいな古参ならつけたであろうタグも減った。一方で女子ユーザーやゲームユーザーが元気だ。もしかしたらニコニコ動画自体が世代交代をしつつあるのではないかと思えるような気がしている。